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2010年 02月 24日
昔はこんなことをしていましたという覚え書きです。
いったい何でしょう? この複雑怪奇な回路は・・・。 以下、旧ホームページからの引用です(最終更新2005.1.11)。現在の視点からあれこれ解説を加えるより、そのままお読みいただく方が早いでしょう。 ※引用文中、電圧増幅段(初段)の負荷がカレントミラーとありますが、上の回路図では抵抗負荷のままになっております。 ぶっちゃけこのアンプ、2005年夏の引っ越しの時に本体と電源部とを切り離して以来、一度も電源を入れることもなく、総コスト・ン十万円のオブジェ(ジャンクとも言う)と化しつつあります。 それにしても、電圧増幅管がE288CCとは・・・なんと贅沢な(笑) ------------------------------------------------------------- Counterpoint SA-100の改造・その後 2年ほどページ更新もしてませんでしたので、経緯をまとめてみました。 改造と言いますが、ほぼ原型とどめてないっす(^^;)。 オリジナルのパーツは、箱、基板そのものと、その上に載っている若干の部品のみ。 ほぼフル自作になってしまいました。 故に音が良かろうと悪かろうと、今は亡きカウンターポイント社には何の責任もありません。 つか、ハッキリ言って糞アンプです元のは。素人の自作レベル。 まあ超三結Ver.3風の独特の電圧増幅回路の構成は面白いと思いますが。 終段無帰還で今どきの重たいスピーカが鳴るか? だいいちサーボ掛かってなきゃ中点電位はフラフラするし。 6DJ8のプレート電流1mAってのも何じゃ? ドライバのカソフォロを定電流負荷にするのはまあ良いとしても、 Zobel入ってなきゃ逆切れするだろが! あまつさえ、終段出力にもZobel入ってねえ!! こんな代物が、当時の定価で¥40万、私が中古で買った時も¥10ン万というのは詐欺ですな。 オーディオなんてそんなもんという話もありますが・・・。 愚痴はさておき、とにかく改造する上で最大の制約になったのは、 「球が6DJ8×2(片方ch4つの三極管)」という事と、 「管球部と終段部のC結合」という根本的構成でした。 前者の帰結が、初段差動(電圧増幅)+SEPP(ドライバ)という構成です。 後半部は半導体の差動アンプと組み合わせて終段をループに含むボルテージフォロワとしています。 故に、電圧増幅部は無帰還です。生の三極管そのままの歪み(?)が存分に楽しめます。 ボルテージフォロワ部の性能をどれだけ上げても総合歪み率が全く減らないという素晴らしいアンプです。 お蔭様で、数値としての歪み率に殆ど意味が無い事はよーく分かりましたが・・・。 (フォロワの逆切れや位相補償・超高域特性の影響の方がずっと大きい) その後、オリジナルの終段の石をすっ飛ばした時にバイポーラ+MOSのダーリントンに 交換してしまいましたので、三極管SEPPはドライバとしての意味をほぼ失い、 帰還部初段差動アンプの能動負荷(SRPP風)としてのみ機能しています。 さらに帰還ループの特性を詰めていくと、ここで生じるポールがどうしても邪魔になったため フィードフォワード風に数MHzで球をすっ飛ばす仕様にしてしまったので、 余計に意味を失いました。(だったら単に高抵抗か石の能動負荷でいいじゃん、と) まあ出力インピーダンスは低いので、終段とC結合する分には低域時定数の点で有利でしたが・・・。 ところが最近ついに、2番目の制約もすっ飛ばしてしまいました。 帰還ループがAC結合だと、終段になんぼDCサーボ掛けても上手く行きません。 管球部のマイナーサーボとの相互干渉が生じるからです。 そこでついにDCアンプ化を決断しました。 Cを除去するのは恐いので、高抵抗をCとパラに入れた半DC結合です。 そこで出来るf特のうねりはDCサーボの特性に小細工する事で打ち消しました。 石球混じりのDCアンプって何だか恐い様な気もします。 なんたってスピーカに数百Vからの回路が直に繋がってる訳ですから。 (だからオフセット検知ミュート回路と出力ヒューズで保護してます) そもそも電源の起動に時間が掛かるので、全部を一気にオンできません。 まずヒータを暖め、次いで高圧電源をゆっくりと起動し(というか整流管なのでゆっくりとしか起動しない)、 起動時専用のマイナーループ(リレーでオン)で各部の電圧が十分に安定した頃合いを見計らってから おもむろに終段バイアスをオンにします。(オフ時はノルマルコンタクトのリレーで短絡) 故に起動時間は優に2分程掛かります。恐るべきタイマー合わせ技です。ワビサビの世界です。 このアンプの特徴ですが、ひとつは先に述べた無帰還三極管による電圧増幅でしょう。 無帰還とは言うものの、只の抵抗負荷シングルエンド出力ではありません。 球の差動をカレントミラーで受け、三極管自身のrpを通じた電流帰還を利用した擬似PP回路です。 プレート能動負荷でもあるカレントミラースレーブ側が、球をほぼコピーした特性で負荷を駆動します。 一種の超三結という見方も出来ます。 三極管の差動にカレントミラーを組み合わせるとそうなる事は意外に知られていないのではと思います。 ちなみに球のロードラインは横一直線(ほぼ無限大負荷)となります。 もうひとつの特徴は、電圧増幅された信号をボルテージフォロワの非反転入力に入れるだけでなく、 上下に電圧シフトしたコンプリエミフォロを介して帰還アンプ全体をフィードフォワードカスコードしている点です。 帰還アンプ部が浮動電源でサンドイッチされ吊るされている、とも言えるでしょう。 これは思いつきで最初にそうして今も残っている(いじり様が無い)部分ですが、 今にして考えても、帰還アンプ部の負担を基準信号と出力との誤差のみに限定するというのは 悪くない方法なんじゃないかなと思います。実動作振幅が劇的に小さくなりますから。 さらに言えば、普通のNFBアンプはループカットオフを過ぎると周波数特性が下降を始めますが、 このアンプは(理屈では)そこから先もフラットに増幅していきます。 浮動電源の入力で1MHz強で切っていますが、裸の周波数特性は相当な所まで伸びている筈です。 アジャコングな構成にも関わらず意外と音が悪くないのは、これらの特徴に拠る所が大かもしれません。 それにしても・・・こんな構成で、よくまあGB積1MHzまで進化したもんだと思います。 幸い大きな事故も無かったし。 次はもっとシンプルなアンプを作りたい・・・とか言いつつ、 超三結電流帰還アンプなんて物が頭にチラつく今日この頃。
by daluhmann
| 2010-02-24 02:04
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