Daluhmann's High-End Audio Amplifiers
2012-10-31T00:31:12+09:00
daluhmann
自作ハイエンド・オーディオアンプの世界
Excite Blog
エントリ一覧
http://daluhmann.exblog.jp/12785406/
2013-12-31T23:59:00+09:00
2012-10-31T00:29:24+09:00
2010-02-05T03:45:53+09:00
daluhmann
未分類
【真空管アンプの製作】
●2A3シングルアンプ付きミニホットプレート
●超球ドラーtype-S・EL34シングル(TU-879R改)【解説その1】
●【速報】超球ドラーtype-S・EL34シングル(TU-879R改)
●「ゼロ・ワイドラー」の実験 ~OPTの高域減衰を打ち消す・その2~
●ZDRの実験 ~OPTの高域減衰を打ち消す・その1~
●ワイドラー風6BQ5シングル (トライオード VP-mini84改)
【半導体アンプの製作】
●超シンプル MOS-FETパワーアンプ(MOS-FETを電流駆動する)
●低耐圧トランジスタで作るワイドラー高圧電源
(補足:電源回路の位相補償の実例)
●ワイドラー300Wパワーアンプ
【その他の工作】
●超シンプルなファンモーターの温度制御回路(CPUクーラー萌え)
●ピークパワー計(不感帯のない4石ディスクリート絶対値回路)
●便利な汎用・学習赤外線リモコン基板
●他の調光器とワイヤレスで連動=同期する調光器(¥680ラジオ改造)
【考察・レビュー・雑談】
●昔取った杵柄(三極管の歪みをそのまま聞くアンプ)
●完全に対称な完全対称アンプ(CSPPとSEPPとの変換)
●「石そのものの音」を聞くためのアンプ
●BEHRINGER EP2500 450W×2(8Ω)パワーアンプ
●【Impression】ダイソーの100円ピンケーブル
●アキュ救済計画(2) あるいは「ケーブル狂詩曲」について
●アキュ救済計画
【マイシステム】
●【FM放送のMP3録音専用機】KENWOOD CR-A7USB
●ちなみにAV系は
●USBラジオの音声をAir Tunesで飛ばす
●PC系オーディオ環境はワイヤレス&オプティカルがキモ
●珍しくマイシステム紹介
※当ページへのご感想・ご質問などはコメント欄をご利用下さい。非公開コメント機能もあります。なおSPAM対策としてコメント欄は承認制としておりますので、反映に多少の時間がかかることがあります。
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【FM放送のMP3録音専用機】KENWOOD CR-A7USB
http://daluhmann.exblog.jp/18120013/
2012-10-31T00:00:00+09:00
2012-10-31T00:31:12+09:00
2012-10-31T00:21:03+09:00
daluhmann
マイシステム
以前はPCに接続して動かすUSBラジオでFMを聞いたりMP3録音したりしていましたが、やはり専用機でタイマー録音するのが圧倒的に便利なので、これをオークションで落としました。
音質は、ちょっとホワイトノイズレベルが高めですが、音じたいはなかなかいいです。
大半は番組表が充実しているNHK-FMからの予約録音で、番組表をダウンロードして音源とファイル名を合わせ(拡張子のみ違う)、同じフォルダに入れておくと後で便利です。
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2A3シングルアンプ付きミニホットプレート
http://daluhmann.exblog.jp/13274667/
2010-04-01T00:00:00+09:00
2012-10-30T00:23:48+09:00
2010-04-01T20:45:36+09:00
daluhmann
真空管アンプの製作
調理に使うなら、やはりだんぜん直熱管です。
傍熱管とは焼き上がりも味わいもまったく違います。
筐体はオーブントースター(KOIZUMI コイズミKOS-0700/R)を流用しました。
オーブントースター元々のヒーターはそのまま残してあります(ただし上側のみ)。
球のゲッタが消耗した時、このヒーターを点火して(トースターだけに)ベーキングしてやると、あら不思議、エミ減の球が復活します。 ※詳細は、4/2以降に公開します。]]>
超シンプルなファンモーターの温度制御回路(CPUクーラー萌え)
http://daluhmann.exblog.jp/13012812/
2010-03-05T05:22:00+09:00
2012-10-30T00:23:48+09:00
2010-03-05T05:22:48+09:00
daluhmann
その他の工作
とりわけファンとヒートシンクが一体となったCPUクーラーは、今や極めて多種多様な製品が次々と世に送り出されています。単なる機能部品の域を超え、一種独特な工業デザイン(?)領域に踏み込んでいるものも少なくありません。
←なんじゃこりゃ?(笑)私自身ご多分に漏れず(?)、使用目的も決まっていないのに、ついあれこれ買い溜めてしまう始末。車やバイク方面にも蘊蓄のある人間としては、エンジンの排気系を連想させるあの銅色のヒートパイプにどうしても惹かれてしまいます。
このままじゃ放熱器を使うためにアンプを作らねばなりません。もはやこれは「CPUクーラー萌え」状態と言っていいでしょう(笑)。
(写真は私が持っている現物ではなくイメージ)
しかも中古やジャンクが安く出回っていますので、たいへんお得感があります。もはやオーディオアンプも、大艦巨砲主義的にやたらとでかい放熱器を使った、良く言えば贅沢・悪く言えば無駄な自然空冷ではなく、ファンで冷やすのが常識という時代に移行しつつあるのかもしれません。回転音がずいぶん静かなものもありますし、熱が出る時→音量でかい→ファンの音は気にならない、という話もあります。
いずれにせよ、発熱が少ない時はファンの回転数が下がる温度制御にしておけば騒音を抑えることができるわけで、実際、今やPCの内蔵ファンはほとんどがPWM制御です。
というわけで今回のエントリは、ファンモーターのための極めてシンプルかつ実用的な温度制御回路です。
オーディオ用ですから、スイッチングノイズの気になるPWMではなくアナログのシリーズレギュレータ式とします。またそうすることで回路も著しく簡素化できます。
温度センサIC・LM35は、0℃で0V、以後は10mV/℃リニアで摂氏校正された出力電圧(100℃なら1V)が得られる優れものです。抵抗値変化がノンリニアで、しかもバラつきが大きく特性を読むのに実測も必要なサーミスタは、もはや過去の遺物と言わざるをえません。
で、このLM35を使ってファンモーター制御回路を作るとすれば、普通は出力をオペアンプで受けて適当に増幅し、何らかの電圧リファレンスと比較してモーター駆動の電圧なり電流なりを得るところだろうと思います。
が、この回路は、なんと3段ダーリントン・トランジスタ(Q1→Q2はインバーテッドですが;むろん、Q2→Q3を再びインバーテッドにすればQ3にNPNの石を使えます)で電流増幅しているだけです。
バカバカしいほど単純。そんなもん、いちいちネットで公開するな!と言われそうです。
あるいは、次のように思われる方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。「ん? トランジスタのVBEは約0.6Vだから、ファンが回り始める温度は60℃ぐらい? ちょっと高すぎるんじゃないの?」。
‥‥しかし、それは固定観念というものです。ファンモーターの消費電流は一般に0.1〜0.2A程度ですが、3段ダーリントンで出力電流をそれぐらいに取ると、1段目のVBEは概して0.4V台、LM35の出力に換算すれば40℃台と、出力素子を冷却する上でドンピシャリの数字になります。
しかもトランジスタの一般論として温度上昇とともにVBEは2mV/℃で低下し、hFEは増大する傾向ですから、周囲温度が暑くなるほど早くからファンが回り始める(とは言っても、閾値温度変化/周囲温度変化は0.2℃/℃、つまり室温が10℃上昇しても閾値が2℃下がるだけにすぎませんが)ため、温度補償は不要です。熱暴走しやすいトランジスタの特性が、ここではまったく逆にメリットとなるわけです。
これほど単純な回路でも理論通りの特性が得られるのは、トランジスタという素子ならでは、もっと言えば電子回路の神の采配か(笑)。ちなみにLM35自体も、内部電圧基準はトランジスタの物理特性を利用したバンドギャップ・リファレンスだろうと想像します。
使用する石は、Q3がTo-126以上のパッケージであれば本当に何でもいいのですが、hFEランクには注意が必要です。結論から言えば、できる限りhFEの高いものを選ぶのが吉です。
※厳密に言うと、Q1はhFEではなくVBEまたは飽和電流(Is;VBE-Ic特性を決定するパラメータ)で選別するべきなのですが、hFEを目安にしても大きな外れはないと思います。
例えば、私は最初、Q1=2SC1815(GR)、Q2=2SA1015(GR)、Q3=2SA1358(Y)で組んでみましたが、とあるファンとの組み合わせでは回り始めが約40℃台後半(@室温20℃)と気持ち高めだったので、Q1/Q2をよりhFEの高い2SC1775A(E)/2SA872A(E)に変えたところ、閾値が数℃下がってより良い案配に‥‥といった感じです。
このあたり、ファンモーターの特性や求める温度との兼ね合いで微調整すべき領域ですが、ほとんどの場合は40〜50℃というアバウトさで実用上まったく問題ありませんから、作りっぱなしでOKでしょう。どうせ周囲温度によって閾値も変化するわけですし。
温度制御の範囲はかなり狭く、回り始めから数℃の温度上昇でQ3は飽和し、ファンもフルパワーとなります。熱結合してフィードバックさせると、回り始め〜フルパワーのどこかでファンの回転数と発熱とがバランスするポイントに落ち着きます(当然ながら、ファンの冷却能力が発熱量を上回っていればの話ですが)。熱結合の時定数によってはオーバーシュート気味にファンの回転が上昇下降を繰り返したり、場合によっては間欠動作になったりすることもあるでしょう(Q3の損失による素子温度変化が正帰還的に作用するとそうなりやすいかもしれません)。
つまりコンパレータやサーモスタットに近い動作をするわけですが、そうは言ってもあくまで非スイッチングレギュレータなので、ファンの消費電流に応じてQ3の放熱を多少は気にする必要があります。もっとも損失は微々たるもの(0.5Wからせいぜい1W)で、たったこれだけのために手間をかけてPWM化するほどの価値は認められません。
なおモーターには逆起電力がありますので、必ずフライホイール・ダイオードかコンデンサを並列に抱かせておきます。
Q1ベースとQ1・Q2コレクタの抵抗は電流制限です。LM35の出力インピーダンスはオペアンプ並に低いので、何らかの理由(サージ等を含む)で高めの電圧が出た時、制限しておかないとベース/コレクタ電流過大でトランジスタが壊れます。もっとも、LM35が温度を正しく測定したがゆえに1Vとか出力する時は、温度検出の対象じたいがすでに逝っているという話もありますが‥‥。
なお回路図中点線で示したQcを追加すれば、電源シャットダウンなどの付加的制御も可能です。閾電流がmA台になるようRpullupの値を決めてやれば、定石通り60℃(VBE=0.6V)ほどでControl出力がLoレベルとなります。
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昔取った杵柄(三極管の歪みをそのまま聞くアンプ)
http://daluhmann.exblog.jp/12933098/
2010-02-24T02:04:00+09:00
2012-10-30T00:23:48+09:00
2010-02-24T02:04:35+09:00
daluhmann
考察・レビュー・雑談
いったい何でしょう? この複雑怪奇な回路は・・・。
以下、旧ホームページからの引用です(最終更新2005.1.11)。現在の視点からあれこれ解説を加えるより、そのままお読みいただく方が早いでしょう。
※引用文中、電圧増幅段(初段)の負荷がカレントミラーとありますが、上の回路図では抵抗負荷のままになっております。
ぶっちゃけこのアンプ、2005年夏の引っ越しの時に本体と電源部とを切り離して以来、一度も電源を入れることもなく、総コスト・ン十万円のオブジェ(ジャンクとも言う)と化しつつあります。
それにしても、電圧増幅管がE288CCとは・・・なんと贅沢な(笑)
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Counterpoint SA-100の改造・その後
2年ほどページ更新もしてませんでしたので、経緯をまとめてみました。
改造と言いますが、ほぼ原型とどめてないっす(^^;)。
オリジナルのパーツは、箱、基板そのものと、その上に載っている若干の部品のみ。
ほぼフル自作になってしまいました。
故に音が良かろうと悪かろうと、今は亡きカウンターポイント社には何の責任もありません。
つか、ハッキリ言って糞アンプです元のは。素人の自作レベル。
まあ超三結Ver.3風の独特の電圧増幅回路の構成は面白いと思いますが。
終段無帰還で今どきの重たいスピーカが鳴るか?
だいいちサーボ掛かってなきゃ中点電位はフラフラするし。
6DJ8のプレート電流1mAってのも何じゃ?
ドライバのカソフォロを定電流負荷にするのはまあ良いとしても、
Zobel入ってなきゃ逆切れするだろが!
あまつさえ、終段出力にもZobel入ってねえ!!
こんな代物が、当時の定価で¥40万、私が中古で買った時も¥10ン万というのは詐欺ですな。
オーディオなんてそんなもんという話もありますが・・・。
愚痴はさておき、とにかく改造する上で最大の制約になったのは、
「球が6DJ8×2(片方ch4つの三極管)」という事と、
「管球部と終段部のC結合」という根本的構成でした。
前者の帰結が、初段差動(電圧増幅)+SEPP(ドライバ)という構成です。
後半部は半導体の差動アンプと組み合わせて終段をループに含むボルテージフォロワとしています。
故に、電圧増幅部は無帰還です。生の三極管そのままの歪み(?)が存分に楽しめます。
ボルテージフォロワ部の性能をどれだけ上げても総合歪み率が全く減らないという素晴らしいアンプです。
お蔭様で、数値としての歪み率に殆ど意味が無い事はよーく分かりましたが・・・。
(フォロワの逆切れや位相補償・超高域特性の影響の方がずっと大きい)
その後、オリジナルの終段の石をすっ飛ばした時にバイポーラ+MOSのダーリントンに
交換してしまいましたので、三極管SEPPはドライバとしての意味をほぼ失い、
帰還部初段差動アンプの能動負荷(SRPP風)としてのみ機能しています。
さらに帰還ループの特性を詰めていくと、ここで生じるポールがどうしても邪魔になったため
フィードフォワード風に数MHzで球をすっ飛ばす仕様にしてしまったので、
余計に意味を失いました。(だったら単に高抵抗か石の能動負荷でいいじゃん、と)
まあ出力インピーダンスは低いので、終段とC結合する分には低域時定数の点で有利でしたが・・・。
ところが最近ついに、2番目の制約もすっ飛ばしてしまいました。
帰還ループがAC結合だと、終段になんぼDCサーボ掛けても上手く行きません。
管球部のマイナーサーボとの相互干渉が生じるからです。
そこでついにDCアンプ化を決断しました。
Cを除去するのは恐いので、高抵抗をCとパラに入れた半DC結合です。
そこで出来るf特のうねりはDCサーボの特性に小細工する事で打ち消しました。
石球混じりのDCアンプって何だか恐い様な気もします。
なんたってスピーカに数百Vからの回路が直に繋がってる訳ですから。
(だからオフセット検知ミュート回路と出力ヒューズで保護してます)
そもそも電源の起動に時間が掛かるので、全部を一気にオンできません。
まずヒータを暖め、次いで高圧電源をゆっくりと起動し(というか整流管なのでゆっくりとしか起動しない)、
起動時専用のマイナーループ(リレーでオン)で各部の電圧が十分に安定した頃合いを見計らってから
おもむろに終段バイアスをオンにします。(オフ時はノルマルコンタクトのリレーで短絡)
故に起動時間は優に2分程掛かります。恐るべきタイマー合わせ技です。ワビサビの世界です。
このアンプの特徴ですが、ひとつは先に述べた無帰還三極管による電圧増幅でしょう。
無帰還とは言うものの、只の抵抗負荷シングルエンド出力ではありません。
球の差動をカレントミラーで受け、三極管自身のrpを通じた電流帰還を利用した擬似PP回路です。
プレート能動負荷でもあるカレントミラースレーブ側が、球をほぼコピーした特性で負荷を駆動します。
一種の超三結という見方も出来ます。
三極管の差動にカレントミラーを組み合わせるとそうなる事は意外に知られていないのではと思います。
ちなみに球のロードラインは横一直線(ほぼ無限大負荷)となります。
もうひとつの特徴は、電圧増幅された信号をボルテージフォロワの非反転入力に入れるだけでなく、
上下に電圧シフトしたコンプリエミフォロを介して帰還アンプ全体をフィードフォワードカスコードしている点です。
帰還アンプ部が浮動電源でサンドイッチされ吊るされている、とも言えるでしょう。
これは思いつきで最初にそうして今も残っている(いじり様が無い)部分ですが、
今にして考えても、帰還アンプ部の負担を基準信号と出力との誤差のみに限定するというのは
悪くない方法なんじゃないかなと思います。実動作振幅が劇的に小さくなりますから。
さらに言えば、普通のNFBアンプはループカットオフを過ぎると周波数特性が下降を始めますが、
このアンプは(理屈では)そこから先もフラットに増幅していきます。
浮動電源の入力で1MHz強で切っていますが、裸の周波数特性は相当な所まで伸びている筈です。
アジャコングな構成にも関わらず意外と音が悪くないのは、これらの特徴に拠る所が大かもしれません。
それにしても・・・こんな構成で、よくまあGB積1MHzまで進化したもんだと思います。
幸い大きな事故も無かったし。
次はもっとシンプルなアンプを作りたい・・・とか言いつつ、
超三結電流帰還アンプなんて物が頭にチラつく今日この頃。
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完全に対称な完全対称アンプ(CSPPとSEPPとの変換)
http://daluhmann.exblog.jp/12893324/
2010-02-19T14:02:00+09:00
2012-10-30T00:23:48+09:00
2010-02-19T14:02:55+09:00
daluhmann
考察・レビュー・雑談
ここでは、「不平衡(ノンフローティング電源)の同極性SEPP」という条件で、どうしたら純CSPPのような完全対称動作に近づけられるかを考えてみます。
まず図示したのは、純粋なCSPP(cross shunt push pull)です。フローティング電源で平衡動作し、出力中点がGNDになります。これは言うまでもなく完全対称動作します。
しかしフローティング電源は、片Chでも2個、ステレオなら4個必要と不便極まりないので、電源を接地できるよう配置して不平衡動作させた変形バージョンのCSPPが、いわゆる「SEPP(single ended push pull)」です。コンプリメンタリSEPPではないことを明確化するために、「同極性(SE)PP」と表記することもあります。
この形式のアンプとして広く知られたものに「金田式完全対称アンプ」があります。
しかしこの構成、2段目差動両コレクタのゲインや振幅が全く異なるので、明らかに対称には動作しません。
非対称でも別にエエやんかと言われればそうなのですが、もし位相補償をこの段のC-B間容量(のミラー効果)で行うとすると、プッシュプルの上と下とで周波数特性の異なるアンプになってしまいます。
では、どうしたら対称に近づけることができるでしょうか?
これは、前置き増幅段全体をVo/2(出力中点)の電圧でブートストラップした不平衡CSPP(=SEPP)です。金田式風の回路でそれをやると、次のような感じになります(あくまで原理図)。
しかしこの回路、入力を仮想GND基準で加えねば正しく動作しません。言い換えれば、仮想GNDから見ると電源はフローティングです。つまり実質的に純CSPPへと逆戻りしただけで、まったく無意味な変換です。
むろん、2ch化すると左右で仮想GNDは別々となりますから、ステレオアンプなど成り立ちません。
ただし、インプットトランスを使ってフローティングで入力してやると、この問題をクリアすることはできます。管球式SEPPでイントラがしばしば使われる理由はそのあたりにあります。
なにせこりゃ無意味じゃんというわけで、もう少し考えてみると、GND基準の不平衡入力のままで初段から出力段までアンプ全体が対称動作する条件を満たす解がひとつだけ存在することに気づきます。
それは、Vo/2すなわち出力中点からNFBを掛けるGN(ノイズゲイン)=2の非反転アンプとした場合です。
それを金田式でやると、次のような感じになります。
マクロに見れば回路全体がGNDに対してVo/2でブートストラップされ、そちらを基準として見れば全回路が平衡対称動作していることになります。むろん、2段目差動両側のコレクタ振幅やゲインも対称です。これなら、あらゆる位相補償をあくまで対称に施すことができます。
注意すべきは、よくある初段のブートストラップ・カスコードと異なり、初段共通エミッタの中点からブートするのではないということです。
これはあくまで「反転入力側から」ブートせねばなりません。なぜそうであるかは、非反転側入力(の変動=Δ分)がゼロで、出力だけが(例えば外から電圧や電流が加わることによって)変動した場合に、どのような動作をするかを「微分的に」考えてみればわかるでしょう。
図の回路の場合、初段差動の両エミッタ間に電流帰還抵抗を入れ、反転入力側のエミッタからダイレクトにブートすることで、それに近づけています。
「近づけています」という言い方をする理由は、初段Trのエミッタもまた内部抵抗(=1/gm)を持つので、実際には反転入力〜非反転入力間の差動電圧をいくぶんか分圧した形になってしまうからです。
まあそれでも、オリジナルの金田式よりはこれでもずいぶん「完全対称」であると言えるでしょう。
なお、2段目差動の対称性が問題になるのは、あくまでここで位相補償を行う場合であって、もし出力段それ自体での位相補償がドミナントとなる設計であれば、ここでの対称性にこだわる必要はありません。
実際、私が作っているN-Ch MOS-FETによる同極性SEPPアンプ(近日公開予定)は、MOS-FETを電流ドライブしてCissをそのまま位相補償容量としており、MOSの巨大な端子間容量に比べれば2段目差動(に相当する箇所)のCobなど無視できますので、回路を複雑化するブートストラップなど使わず、素直に非対称なままの動作としています。
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「石そのものの音」を聞くためのアンプ
http://daluhmann.exblog.jp/12890247/
2010-02-19T00:10:00+09:00
2012-10-30T00:23:48+09:00
2010-02-19T00:10:19+09:00
daluhmann
考察・レビュー・雑談
コメント欄を掲示板として使ってご相談しながら仕様を煮詰め、記事を更新していきたいと思います。
ではpaukさん、よろしくお願いしますm(_ _)m
1.基本構成
2SA649の単段エミッタフォロワを、P-Ch MOS-FETによる定電流回路で受けます。アイドリングは定電流回路によって完全に縛られますので、熱暴走の恐れはありません。
MOS-FETは、PDがA649と同等程度以上の物なら何でもいいです。
純A級アンプですから、アイドリング電流を、電源電圧(片側)/ZL(負荷インピーダンス)だけ流してやらないといけません。8Ωのスピーカなら、電源±8V当たり1Aということです。最大出力は、電源電圧^2/2ZLとなります。±8Vなら、たった4Wです(^^;)。
2SA649はPc=80Wですが、十分でかい放熱器を使うとしても、その3〜4割くらいに損失を抑えておくのが無難でしょう(虎の子の石を壊したらもったいないですし)。そこから逆算される最大電源電圧と電流は、8Ωなら±16V/2A、4Ωなら±12V/3Aくらいまでということになりましょうか。
損失を増やすと放熱器もどんどん大きなものが必要になりますし(当然ながら定電流のMOS-FETも同じだけの熱を出します)、まあ試しに音を聞いてみたいというだけなら、控えめで使うに越したことはありません。
2.入力&バイアス回路
ここは、どんな方法でドライブするかによって若干の検討の余地があります。
電圧ゲイン=1のフォロワですから、ドライブ電圧がほぼそのまま出力電圧になります。
入力インピーダンスは数百Ωというところ(おおむねhFE×ZL)なので、少々歪みが増えることに目をつぶればオペアンプでもドライブできないことはありません。小出力のパワーアンプならなお可でしょう(負荷が軽いので歪みは激減しますし、AB級アンプでもA級領域での動作となります)。
問題はバイアス回路で、それなりのバイアス電流を与えてやる必要があるため、それがさらに入力インピーダンスを低下させる要素になります。
オペアンプ駆動なら専用ドライブアンプを用意し、出力をオフセットさせてバイアスを与えてやればインピーダンスが低下しないのでベストですが、ドライブアンプを組む手間が増えます。
お手持ちのパワーアンプで駆動するということなら、多少のインピーダンス低下は問題にならないので独立のバイアス回路を組むことができます。
・・・というわけで、まずはドライブの方法をご指定下さい。
p.s.「小出力」というのは、要するに電源電圧(近く)までドライブできるだけの出力電圧が得られりゃいいということですので、絶対にボリュームを上げすぎないということであれば、もちろんどんな大出力アンプでもOKです。念のため。
(2/19 01:30ここまで)
さて入力&バイアス回路ですが、MOS-FETを使った窪田式と違って結構なベース電流が必要ですので、抵抗を使った単純なバイアス回路で出力DCオフセットを無くすのは難しい・・・というよりほぼ不可能なので、一定の妥協が必要です。
A649のhFE=100としても、コレクタに1A流すには10mAのベース電流が必要で、バイアス抵抗は470Ωとかなり低抵抗になります。この抵抗値は8Ω負荷のアイドリングを前提として計算していますので、4Ω用のアイドリングにする場合は1/√2にします。
この抵抗を通る電流が全てベースに流れ込むわけではなく、余った分は+側のVRで吸収します。それによってベース電位が「概ね」GND付近になります。
なお入力側の22Ωは、信号源のインダクタンスを打ち消し、エミッタフォロワを高周波域で安定させるために必要なベース直列抵抗です。おまじないに近い定数ですが、無しというわけにもいきません。
しかし、hFEは温度によってそれなりに変動し、コレクタ電流を定電流で縛っているとベース電流が変動します。いくらオフセットを0Vに調整しても、温度上昇と共にじゃんじゃんドリフトするのは必至でしょう。場合によっては数Vのオフセットが発生します。
それを抑えるために、【A-1】では100Ωを追加してこのズレを数百mV程度(予測値)に抑えています。入力インピーダンスがますます低くなりますが、パワーアンプでドライブする分にはまだ余裕のある値です(なんたって数Ωの負荷を駆動するように出来ているのがパワーアンプですので)。
ただし、オフセットに関する以上の数字は、あくまで「入力オープン」の場合です。
ドライブアンプに接続すると、そちらの出力オフセットが0Vに制御されている限り、余った電流を極めて低い出力インピーダンスで吸い込んでくれるのでオフセットは激減します。真空管パワーアンプでも出力トランス2次巻線のDCRはたいへん低い(コンマ数Ω)ので同様です。
ドライブアンプが繋がった状態では、むしろ入力〜ベース間のダイオード(TO-220のTrをダイオード接続してA649に共締めして熱結合します)がオフセットを減らす上でお役立ちです。せいぜい数十mVですがドリフトを抑えます。
なお、このダイオードと並列になるよう点線で図示した1000uFは、ここで生じる歪みを防止するものです。ダイオードは非直線素子なので、信号電流を通すと若干の歪みが生じます。無帰還の単段フォロワではどのみちトータルの歪み率が大して良くならない(推定1%前後)ので個人的には無視していいとも思いますが、気になる方は入れましょう。
さて、ここまでやっても、22Ωの直列抵抗を省略しない限り数十mVのオフセットはどうしても出ると思われます。これ以上はオペアンプを使ったDCサーボなどの助けを借りないとどうしようもありませんが、単段フォロワにサーボというのもちょっとバカみたいです。
つまり、そこまでするぐらいなら、前置増幅段をつけてオーバーオールのNFBを掛けてやれば、トータルの歪み率を劇的に改善した上、DCオフセットも数mVにできるわけなので・・・。
「石そのものの音を聞く」というのは意外と難しいことなのかも?
(2/22 20:30ここまで)]]>
ピークパワー計(不感帯のない4石ディスクリート絶対値回路)
http://daluhmann.exblog.jp/12757940/
2010-02-01T02:31:00+09:00
2012-10-30T00:23:48+09:00
2010-02-01T02:31:12+09:00
daluhmann
その他の工作
メーカー製アンプについていたと思しきパワー計のジャンクをゲトしたので作りました。
実際問題、PAの現場で、出力パワーを直接モニタするメーター(ラインレベルを管理するVU計ではなく)が欲しいと思っていたのも事実なので。
60Wスケールなので、×10レンジも設けて600Wまでモニタできるようにします。
(私は自宅でもPAでも4Ωのスピーカしか使わないので、パワーは4Ω換算。目盛りの下側に元々描いてある小出力レンジは不採用)
目的はあくまでピークの管理であるがゆえ、VU計で常識の300msという時定数は無視して、ごく短いパルス的な入力にも素早く反応し、ゆっくり戻る設定にします。
まともな人ならオペアンプを使ってピークホールド回路と絶対値(=整流)回路を組むところでしょうが、ここは超原始的に2石ディスクリートで。またディスクリートでないと、電源なしでも動くことは動くという仕様を満たすことは100%不可能です。
初段(?)がJ-FETなのは、入力インピーダンスを高く取りつつ、整流につきものの不感帯を最小化するためです(Trのダーリントンだと、不感帯がVBE×2=1.2Vになってしまう)。
J-FETのドレイン電源は、なんと入力信号そのものを使います。そうしないと、入力がない時もFETが微妙にONして次段のTrにベース電流が流れ(FETのピンチオフ電圧>VBEであるが故)、メーターが振れてしまいます。実入力電圧がほぼそのままドレインに加わり、ゲート入力はそれを1/3ぐらいに分圧していますので、その電圧差でFETが動作するわけです(ただし当然、振幅がプラスに振れた時のみ)。
ドレイン電位が0.6Vを超えると、ソースフォロワが0.47uFのピークホールド・コンデンサを素早く(計算では10ms前後)充電します。反応が速いので、音が聞こえるより早くメーターが振れ始めるように感じます。
その溜まった電荷を次段Trのベースにダラダラと放電することで指針をゆっくり戻します。時定数は約1.5s。
なおドレイン直近のダイオードは、整流機能を持つと同時に、ソース電位>ドレイン電位になった時にFETが逆向きに動作して0.47uFが放電してしまうのを防ぎます。ドレイン/ソースを逆さにしても全く同じように動作するFETならでは。
メーターを振るTrフォロワは、信号が途切れた後も指針をゆっくり戻すために電源を電池(006P)で供給していますが、実はこの電池がなくても指針がさっさと戻ってしまうだけでフツーに動作します。電池が切れていても純パッシブでとりあえず実用になる‥‥というのが今回の重要な仕様です。
またPAのような高電圧が突っ込まれた時は、信号を整流して得られた電圧に勝手に切り替わって動作するため電池を消耗しません(長丁場のPA現場では有益な仕様)。やたらとダイオードが入っているのも、そうした切り替えをスムーズに行うためと、平滑コンデンサ(22uF)の漏れ電流による電池消耗を抑えるためです(だから電源スイッチはつけていません)。
またFETのドレインをZDでクランプして電圧制限するとともに2SC2240(VCBO=120Vとそこそこ高耐圧)を使っているのは、数百Wに達するパワーアンプの高い出力電圧に耐えるためです。
アンプの出力に半波整流回路がぶら下がる格好になりますが、十分大きな直列抵抗が入っていること、電流が微少であることから、音の変化を聞き取ることはできませんでした。
DCアンプはこの程度のアンバランスなど屁でもありませんし、管球アンプでも出力トランス2次側のDC電位が微妙にオフセットするだけです。
なお、メーター照明のために5VのACアダプタから電気を供給しているのに、なぜそれを電源にしないでわざわざ電池を使うとかとゆーと、例によってGNDループ問題を少しでも逃れるためです。お遊びのメーターをつないで音が変わってしまっては本末転倒ですので。
テキトーな空中配線による回路。
ケースは、何年か前のバレンタインデーに貰ったチョコレートの箱です。まるでこのメーターのために作られたのではないかと思うほどピッタリサイズ(笑)
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
(以下、2010. 2. 5.付記)
その後、メーターの動きを眺めつつ回路を再検討すると、やはりいろいろと問題が見えてきました。
①0.6Vといえども不感帯がある。また不感帯の存在と、ピークホールド電圧がJ-FETのVgs(ほぼピンチオフ電圧)の分だけ高めになることとが相まって、小音量では指針が全く動かず、ある音量から急に大きく振れるような不自然な動きを示す。
②数W程度のパワー(に相当する入力電圧)まではJ-FETの飽和領域でなく抵抗領域を使っている(要するにVdsが低い)ため、ピークホールド電圧がゲート入力電圧だけできっちり定まらず、ドレイン電圧によってもかなり変化する。そのため、×1レンジでメーターの校正を行うと、×10レンジに切り換えた時にまるっきり計算(分圧比)通りの指示をしてくれない。言い換えると、×10レンジの切り換えはゲート入力を抵抗分圧で減衰させているだけでドレイン側にはアッテネータが入っていないため、×1レンジよりも3倍ほど高いドレイン電圧での動作となり、数値がかなり高めに出てしまう。
特に②は、PAの現場での実用という目的に照らして不都合なので、どうしても見直しが必要です。
そこで考え抜いた回路です。Trが2石増えて4石になりました。
■J-FETのVgsはIdやVdsによってかなり変わってしまう(要するにgmが低いこととほぼ同義ですが)ので、それをPNP-Trとのコンプリメンタリにすることで、初段出力をFETのVgsではなくTrの相対的に変動の小さいVbeによって規定する。言い換えると、J-FETはTrのエミッタをプルアップするとともに回路の貫通電流を規定する電流源としての補助的役割とする。
■初段にシンク(電流吸い込み)動作が加わったので、この出力でピークホールドのC(0.47uF)を充電することはできない。必然的にもう1段Trフォロワを追加し、そちらでチャージすることになる。
あれ? せっかく初段出力を約0.6V(1Vbe分)嵩上げしているのに、もう1段増えたら不感帯は結局なくならないんじゃないの、という疑問を持つ方もいらっしゃるでしょうが、それに関しては、
■J-FET/NPN-Trコンプリメンタリのソース-エミッタ間にダイオードを挟んで、出力電位をもう1Vbe分嵩上げする。それによって不感帯をほぼゼロにできる。
これについてはもう少し説明が必要でしょう。
余計な物を全て省き、ダイオードをTrに置き換えて図を描くと、初段と次の2段ダーリントンフォロワは、一種のトランスリニア回路を構成しているとわかります。
2SK117に2Vbe分のVgsを与えた際のIdは、Vds=9Vの実測で約3μAでした(J-FETのピンチオフは通常、Id=0.1μAとなるポイントで定義するので、厳密にはまだ完全にピンチオフしていないことになりますが)。
とすると、もしダーリントンTrにエミッタ抵抗がないと、トランスリニア原理により i0^2=i1・i2=i2^2/β なので、仮にβ=100とすれば、i1=0.3μA, i2=30μAとなります。実際のところβ>200はあるので、i2も1.5〜2倍程度になるでしょう。
これは、僅かではありますが目で見てわかるほどメーターが振れてしまう電流です。話をわかりやすくするためあえてA級/B級という言葉を使えば、一定のアイドリングを与えたA級動作に相当します。
が、実際には、Q2のエミッタには大きな直列抵抗Rが入っています。私の数学力で計算式を示すのは無理ですが(誰か式を求めて下さい)、Q2の電流が大幅に減少することは明らかです。事実、Q1/Q2の合計電流は実測で3μAほどでした。アイドリングの流れるA級動作でも、不感帯のあるC級動作でもなく、カットオフすれすれのドンピシャリB級バイアス、と言っていいでしょう。
ちなみにこれは高yfsでピンチオフの浅い2SK117だからそうできるのであって、もしyfsが低くピンチオフの深い2SK30ATMあたりを使ったらコンマ数mAオーダーでアイドリングしてしまい、上手く行きません。
今回はメーターで出力を取り出していますが、このエミッタ抵抗Rの両端電圧を見れば、不感帯のない絶対値回路として十分実用になります。
ピークホールドが不要であれば、初段のダイオードを無くして1Vbeの嵩上げのみとし、フォロワも1段で済ませばよさそうなものですが(つまり、ごく単純なワイドラー型カレントミラーにエミッタ抵抗を追加したもの)、現実には1VbeでピンチオフするJ-FETは存在しないので不可能です。
無信号時にほとんど電流が流れないのであれば、ドレインに電池を繋ぎっぱなしでもOKです(フォロワ部まで含めた左右CH合計電流10μA強は、006Pでも1年以上保つ計算)。
もちろん電池がなくても小入力時の動作が不正確になるだけで、指針が大きく振れる領域では正しい数値を示します。
実際に動作させてみると、ごく小さな入力からじわじわと指針が動くのがわかります。自然な動きです。
もちろん、×10レンジも計算通り動作します。
なお回路図に「next CH」の表示がありますが、ここはL/Rの回路を連結しているところです。
なぜ両CHの入力をミックスするかというと、無電源動作時、ミックスしておくほうが平均ドレイン電圧が確率論的に高くなって(Vmix=√V(L)^2+V(R)^2となる)、不感帯を少しでも小さくできるからです。
混合ポイントの手前に22kΩが入れてありますので、チャンネルセパレーションの悪化は全く問題になりません。
完成してしまうと、自宅でもついシステムに繋ぎっぱなしでメーターを凝視してしまいます。やっぱりメーター物って我々のような人種の何かをそそりますな(笑)]]>
便利な汎用・学習赤外線リモコン基板
http://daluhmann.exblog.jp/12577266/
2009-12-30T16:11:00+09:00
2012-10-30T00:23:48+09:00
2009-12-30T16:11:07+09:00
daluhmann
その他の工作
こんなものでもちゃんとマイクロプロセッサが載っています。
制御回路の電源は本ブログお馴染みの直列コンデンサ式トランスレスです。
リレーはずいぶん小型ですが、いちおうAC125V/20Aと書いてあります。
まあ基板パタンが細いので実際はそんなに流しちゃいかんのでしょうけど、いずれにせよ小規模アンプの電源オンオフ程度には十分です。
より大規模な装置に使いたければ、この基板の出力で大型リレーかゼロクロスSSRでも動かせばいいでしょう。
DACとアンプをまとめてオンオフするため、電源タップに組み込みました。
チクマの電源タップにぴったり納まります。
まるで専用設計したみたいです。
いや、そうに違いない(笑)
手前2口をswitchedに、向こう側2口は直結としておきました。
学習させるリモコンのボタンは何でもいいのですが、私はDACのミュートボタンに割り当てました。
蓋をしてシステムに組み込んだところ。
左上に見える小さなアンプのようなものが電源タップ。 自作アンプへの組み込み用におすすめです。
この基板を売っているお店へのリンク。
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他の調光器とワイヤレスで連動=同期する調光器(¥680ラジオ改造)
http://daluhmann.exblog.jp/12549338/
2009-12-26T13:19:00+09:00
2012-10-30T00:23:48+09:00
2009-12-25T11:11:09+09:00
daluhmann
その他の工作
まあ自分のための覚え書きということで...。
拙宅のリビングは、天井の四隅にダウンライトが埋め込んであり、調光器がついてます。(中古マンションなので前のオーナーがリフォーム時につけたもの)
普段からあまり全体照明は使わず、このダウンライトを50%ぐらいの明るさで使っているのですが、そうすると壁に掛かっている絵が暗いので、絵だけ照らすピンスポットが欲しいと思っていました。
で、たまたまオークションで業務用のモノホンスポットライトを¥1000でゲトしたので、それをライティングレールに取り付けられるよう改造し、さらにダウンライトの調光と連動=同期させようと画策を始めました。
いちばん原始的な方法は、ダウンライトに行く配線を取り出し、ピンスポまで導くことです。が、配線は石膏ボードの裏に埋め込まれており、どこを通っているかさえ定かではありません。
もちろんダウンライト本体の場所から引き出せば間違いないわけですが、そこからピンスポまで何mも線を引き回すのも不細工です。
なので、次善の策が無線です。
マスターの調光器はトライアック式(松下電工製の汎用品)ですから、そのトリガパルスを取り出して何らかのキャリアに乗せて飛ばし、その信号で受け側のトライアックを駆動すれば同期調光できます。
照明のリモコンはフツー赤外線を使うと思いますが、デジタル変調/復調はPICなどによる制御が必要で、大袈裟すぎます。原理的には、トリガパルス自体で搬送波をオン/オフした信号(A1変調?)をAM検波するのが最も単純です。
ならば既製品のAMラジオを受信機とし、送信機とトライアックの制御回路だけ作れば手っ取り早いだろう・・・というわけで怪しい工作開始。
最初はネタで、送受信ともに100円均一ショップの100円か300円のラジオを改造しようかと思ったのですが、あまりに安くて元が取れないせいか、最近はどこの100均でもラジオはもう見かけません。諦めて素直にミドリ電化で¥680也のラジオを買い、送信機も水晶発振を使って安定性を図ることにしました。
【送信側】
まずはトリガパルスを検出する方法ですが、カレントトランスを使った非接触式で行きます。
手元にあったテキトーなトロイダルコイル(100uHぐらい?)に、マスター調光器の出力ラインを通します。
ここで拾った正負60Hzのパルスをオペアンプで増幅し、両極(AC)型フォトカプラで120Hzのパルスへと整流(?)し、フォトカプラ出力でAM変調器となるエミッタフォロワを駆動します。
ちなみに、このエミフォロにパルスではなく音声を入力してやればそのままA3変調(=ワイヤレスマイク)になります。
回路自体は何の変哲もないものですが、定数は波形や電圧を実際に観測しながらカットアンドトライする必要があります。調光のデューティによってパルストランスの拾う電圧はけっこう変動します(デューティ100%に近づくほど低下する傾向)。
そこで入力にダイオード・リミッタを入れ、パルスの変動にかかわらず入出力電圧を一定に保ちつつ、アンプが飽和しない範囲でゲインを稼ぎます。電源電圧±5Vだと、Rail to Railでないオペアンプなら±0.6×5.5=±3.3Vぐらいの振幅にしておくのが吉です(TL082は激しく飽和するとラッチアップする故)。
ここでゲインを高めずともフォトカプラ出力の負荷抵抗を高くすればゲインは稼げるはずですが、そうすると今度はこのノードのf特が悪化し、パルスがナマってパルスになってくれません。最初は100kΩから始めたのですが、たかが120Hzなのに変調器のエミフォロがオンしっぱなしになり、なんのこっちゃと焦りました。どうもこのフォトカプラは特にオフ側のスピードが極めて遅いようです。
実用になりそうなところまで抵抗値を下げる(10kΩ)とゲイン不足気味になる(=エミフォロをフルスイングできない)ので、フォトカプラ駆動の直列抵抗が680Ωと少々重ための負荷になってしまいました。
なおこの回路、フォトカプラ自体がスレッショルド(閾値)を持つので、ノイズやオフセット等を気にする必要はまったくありません。
次に高周波系ですが、EXO-3は12.8MHzの水晶発振子にプログラマブル分周器がついたICです。今回は1/2^3=1/8分周で、中波放送帯に含まれる1.6MHzを得ます。
なおEXO-3には発振オン/オフ制御の端子があるので、ここにパルスを入れてもA1変調になるはずですが、「起動時間1.5msMAX」...って、120Hz周期の20%近い遅れがあっちゃ、まるっきり同期になりません。ボツ。
その後の2SC1815はC級バイアスでもいいとは思いますが、出力を厳密に規定したかったのでカレントミラーとしました。最大電流4mAほどに制御されます。高周波増幅にカレントミラーを使う人はあまりないと思いますが...。
出力にタンク(同調)回路がないので高調波が出ますが、負荷がチョークコイルなのとカレントミラーのミラー効果(ミラー違い...笑)とが相まって出力波形が綺麗な三角波であること、また鉄筋コンクリートの建物の中での超QRPですから気にしないことにします。と言いますか、マスターも含めてトライアックのバラ撒くノイズのほうがよほど問題でしょう。
#ここは最初、バーアンテナを使ってタンク回路にしようと思っていたところ、この程度の電流でも磁気飽和してまったく使い物になりませんでした。アレはやっぱり受信用ですな。
入出力端子のない組み込み機器ですから、電源はトランスレスとします。直列Cの0.47uFは、ACラインに入れることも許される、いわゆるXコンです(メゲ犬さんありがとうございます)。
なおトランスレス回路にオシロスコープを当てるのはヤバいので、調整は別電源から供給して行います。また組み込み時も、念のためCの入っていない側がAC100Vのコールド側になるようにしておきます。
直列C電源はそれ自体シャントレギュレータのようなものですので、TL431で定電圧化します。5Vを得るには普通なら抵抗で分圧してリファレンス電圧を作りますが、ちょっとでも手間を避けるのとTL431は一生分ほどストックしてますので数珠繋ぎにしました。
すでにここまででも、やろうとしていることのアホらしさに比して労が多すぎますが、まだ受信側が残ってます。
【受信側】
ラジオはほぼそのまま使いますが、トライアックや電源を組み込むスペースを確保するため、さすがにスピーカと電池ホルダは外します。
ラジオの出力直後の100Ωは、スピーカの代わりになる、ラジオの出力回路自体の負荷抵抗です。スピーカに電流を流して動作する回路は安物ラジオでは珍しくありません。スピーカのDCRは6Ωぐらいですが、いろいろ値を変えて試したところ100Ωでも特に問題なく動作した(むしろ出力電圧は少し高まる)のでこの値にしときます。
次はパルスを検出する段(2SA1015)ですが、Trを無バイアスで使って0.6Vのスレッショルドを確保し、ノイズやリンギングによる誤作動を防ぎます。極性がPNPなのは、パルスがたまたまマイナス側に出力される検波回路だったから、という理由です。
エミッタに電流帰還抵抗(3.3k)を入れるのは入力インピーダンスを高めるためで、そうしないとベース電流による整流作用でDCが発生して動作点が変化してしまいます(管球アンプでグリッドをプラス側まで振ったときのグリッド電流と同じで、C結合回路では注意すべき点)。またスレッショルド電圧をより明確にするという意味もあります。
低域成分が多いとリンギングのマイナス側振幅が大きくなって誤作動の元ですので、0.1uF+1kのHPFで微分します。これ以上fcを高めてもパルスの波高自体が低くなるし、低くするとリンギングの振幅が大きくなるという絶妙な値を実測で探り出しました。
さらに次の2SC1815でフォトトライアック(S21ME3)を駆動します。電源を安定化前の12Vから取っていますが、これは電流をたっぷり流すためというより制限電流を明確化する意味の方が大きいでしょう(3V駆動だと、Trの飽和電圧を実測しないと制限抵抗の値が決まらない)。
なおS21ME3のデータシートには「経年変化で変換効率が最大50%低下する」とありますので、S21ME3のターンオン電流の3倍は流しておきます。
トライアック(BTA24-600)の駆動回路はごく標準的なものです。トライアック自体はスナバレスを標榜していますが、なにせ電波を扱う回路と近接していますのでスナバは入れておきます。電球は誘導負荷でなく単純な抵抗なので、さすがにバリスタは要らんでしょう。また負荷は最大でも1Aなので放熱器は不要です(ちょうどスピーカを外したパンチング?のところにトライアックが来るように配置し、自然放熱にも配慮)。
ケースに組み込んだところ。嵩張る部品を基盤の裏(ランド)側に、背の低い部品は表側に配置しました。ラジオの消費電流がそこそこあるので、トランスレス電源の直列Cは0.47×2=約1uFに増やしています。
余談ですがこのラジオ、今どきICを一切使わない、完全ディスクリートの7石スーパーです。旧ラジオ少年としてはなんだか愛着が湧きます。
天井にそのままラジオを取り付けます(ヲイ)
ストラップもあえて残しました。
AC100Vはもちろんライティングレールから供給されています。 ちなみにスピーカは無くなってしまいましたが、イヤフォンを刺せばフツーに放送を聞くこともできます。
なんたってラジオなのでw
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ちなみにAV系は
http://daluhmann.exblog.jp/12512282/
2009-12-18T17:42:00+09:00
2012-10-30T00:23:48+09:00
2009-12-18T17:42:20+09:00
daluhmann
マイシステム
なんてことない安物のXGAデータプロジェクタです。http://www.mitsubishielectric.co.jp/projector/business/old/xd110r/xd110r.html
縦横比4:3は、どうせブルーレイでも何でもない普通のDVDを観るなら16:9のシネマプロジェクタよりかえって合理的です。
DVDプレーヤーも実売価格1万円しない安物です。
http://pioneer.jp/dvdld/player/archives_06/dv-393/index.html
こんなのでも480p(インターレースでないプログレッシブ映像)とコンポーネント出力(Y・Pb/Cb・Pr/Cr分離)が使えますから大したもんです。
当然ながらCDも再生できるので、ぶっちゃけCD専用トランスポート(CEC TL51)は要らんのやないかという気もせんではありませんが、SPDIFとスーパーリンクの違いなのかベルトドライブの恩恵なのか、さすがに若干の音質差はありますので、そこまで踏み切るのは無理そうです。
TL51はCD-R/RW非対応の旧型ですので、それらを再生する場合のみDVD機を使います。
ちなみにスクリーンはこれ。
http://www.kohnan-eshop.com/direct/interia/blind/products/4522831821969?page=10
こんなもんで十分十分(笑)
観たいと思ったときにパッとスクリーンを降ろしてプロジェクタの電源を入れたら即観られることのほうが、凝ったスクリーンを使うことよりずっと重要です。
液晶やプラズマで40型ぐらいのを買おうと思えば当時は20万以上しましたが、プロジェクタなら一桁万円で80型相当の絵が楽しめます。どうせほとんど夜にしか観ないのだからプロジェクタでちっとも困りません。どうしても昼間観たいときは、いちおう遮光カーテンもあるからそれなりには観られますし。(ちなみに普段のTV視聴は、食卓の横からアームで支持した15型液晶TVです)
業界としちゃハイビジョンやブルーレイに誘導したいところでしょうけど、私が主に観るようなマイナー映画はどうせコンベンショナルなDVDでしか供給されませんからね。解像度上げても意味ありません。
そもそも私はアンチ地デジ化派ですし。
仮に地上波が止まっても、チューナを買い足すだけでモニタを変える気は一切ありません。
映像新規格もLカセットやDATやSACDと同じ道をたどるのか?(笑)
さらに余談を述べれば、5.1chとかの人工的ステレオにも全く興味はありません。メインシステムがアホみたく高音質であれば、スーパーウーファーなんか必要ないし、音の定位も決まりすぎて、特にオーケストラなんか映像つきで聴くと、音が遠く(スクリーンの背後)から聞こえるのに絵はどアップだったりして違和感ありまくりで慣れるのに時間がかかるほどです。
聴覚は視覚で騙されると言いますが、あるレベルを超えると音のほうが絵より情報量が多いってことかもしれません。]]>
USBラジオの音声をAir Tunesで飛ばす
http://daluhmann.exblog.jp/12505689/
2009-12-17T13:51:00+09:00
2012-10-30T00:23:48+09:00
2009-12-17T13:51:00+09:00
daluhmann
マイシステム
iTunesでネットラジオがいくらでも聴けるようになると、CDの購入が明らかに減るほどそちらばっかになるのですが、それでもやはり地上波を聴きたいときもあります。
特に私が住んでいる西宮には「さくらFM」というコミュニティFM局があり、ここはカナーリ濃いジャズを長時間流しっぱなしにしていますので聞き逃せません。
実は以前にNOVAC「Radio Mate NV-UR001」という製品も試したことがあります。
こちらは、Mac用ドライバをリリースするすると言いつつちっともしないので業を煮やしてすでに手放したのですが、radio SHARKと比較すると、
・感度(受信機としての性能) Radio Mate > radio SHARK
ではありますが、
・音質 radio SHARK >>> Radio Mate
です。これはもう議論の余地もありません。単なる「ラジオ」とオーディオ用「チューナ」ぐらいの差があります。つか、FMってこんなに音良かったっけ?と思わせるほどradio SHARKは高音質です。
なお他メーカーからUSB直刺しタイプのコンパクトな製品も出ているようですが、私の経験だとradio SHARKにせよRadio Mateにせよ外部アンテナを使わないと感度不足でまったく実用になりませんので、USB直刺しで外部アンテナ端子が無いものはたぶん論外でしょう。(Radio Mateの感度が比較的良好なのは、長いUSBケーブルがアンテナを兼ねているせいもあると思われます)
ただしこれは鉄筋コンクリートの建物での話なので、木造家屋の場合はまた事情が違うかもしれません。
※余談ですが、録音機能にも両者の違いはあります。
いずれも内部バッファに過去の音声を記録するタイムシフト機能はありますが、Radio Mateはタイムシフトしたデータを再生させながら録音開始したいポイントでRECボタンを押す(古典的なエアチェックの感覚に近い)のに対し、radio SHARKはどのタイミングでRECボタンを押してもバッファされた音声の頭から記録され、その後は継ぎ足していく感じになります。
基本的には録音したい部分だけ記録できるRadio Mateのほうが便利だと思いますが、まあどうしてもということならradio SHARKでも音声ファイルエディタで編集すればいいでしょう。
ちなみにバッファの最大長はRadio Mateが99分に対してradio SHARKは無限(HDD容量が許す限り??)なので、私はバッファを300分とかに設定して、聴いている間の音声をぜんぶ記録するようにしています。選局し直すとバッファもリセットされるという情報をネット上で散見しましたが、ガセです。
なお録音ファイル生成するとき、Radio Mateは日付と時間がファイル名に自動でつくのに対し、radio SHARKは局名しかつきません。これについてはRadio Mateのほうが賢いです。(タイマー録音機能はいずれもまったく使ったことがありませんのでコメントできません)
さて問題は、USBラジオの音声は、そのままではAir Tunesでメインシステムとワイヤレス接続できないことです。
確かに、録音機能を使って音声ファイルを作ってやればiTunesに読み込める(特にradio SHARKは自動でプレイリストに追加される)わけですが、やはりLIVE(リアルタイム)で聴きたいことも多いです。
そこで、「Airfoil」という、あらゆるアプリケーションの音声をAir Tunesに乗せるソフトを使います(シェアウェア$25)。
http://www.rogueamoeba.com/airfoil/mac/
これで地上波ラジオもワイヤレス(→光→DAC)で聴けるようになりました。
唯一の欠点は、Airfoilに乗るのがラジオのLIVE音声だけで、Air Tunes上ではラジオのタイムシフト機能が使えなくなることでしょうか。ソフト同士でどういうデータのやりとりになっているのか知りませんが、タイムシフト再生された音声はMac本体のアナログ出力にしか出てきません。
まあ、どうしてもタイムシフトしたいときは一旦録音してから再生すれば済む話でしょうから、あまり困りませんが...。
※使っているうちに気づきましたが、Airfoilで音声を飛ばしながらRadio SHARKのアプリを終了すると、そのまま同じ局が流れ続けます。どうもAirfoil自体にRadio SHARKのハードウェア・ドライバとしての機能も含まれているようですね。
なお、Mac本体のアナログ出力とAirfoil出力との間には2、3秒のタイムラグがあります。動画の音声を飛ばす用途には向きませんねー。
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PC系オーディオ環境はワイヤレス&オプティカルがキモ
http://daluhmann.exblog.jp/12505573/
2009-12-17T13:14:00+09:00
2012-10-30T00:23:48+09:00
2009-12-17T13:14:39+09:00
daluhmann
マイシステム
それでもなお、やはり多少は妙なこだわりを見せてしまうのがマニアのマニアたる所以でしょう。
※写真は、アップルコンピュータ AirMac Express ベースステーション with Air Tunes MB321J/A
まず最も基本的な前提は、メインシステムとPC系のGNDを完全にアイソレートすることです。せっかく完結したメインシステムに余計な配線をぶら下げるだけで音が変わってしまいますので。
必然的に、PC系からの入力は、メインのDAC(CEC DX71)にオプティカルで接続することになります。
TOSリンクの音質がどーのこーのといった話は、GNDが混じることの弊害に比べれば問題にもなりません。このあたりの優先順位のつけ方は人によるでしょうが、私はGNDループ問題を重視します。
さて、このシステムを成り立たせるキーデバイスは、AppleのAirMac Expressです。
これは基本的にApple純正の無線LANルータという位置づけなのですが、お馴染み「iTunes」と組み合わせることで、iTunesの音声出力を無線で飛ばし、このAir Mac Expressで受けることができます(「Air Tunes」機能)。
これを使うことで、PCのヘッドフォンジャックにケーブルを刺して引き回すという煩わしさから一切逃れられます。
で、Air Mac ExpressのAir Tunes出力は、アナログでもオプティカルでも取り出すことができます(いわゆる光ミニプラグ/ジャック)。この光出力をメインシステムに送ってやれば、完全ワイヤレス&GNDアイソレートでPCとメインシステムとの接続完了です。
iTunesでネットラジオをじゃんじゃん聴けるので、CDPの出番がずいぶん少なくなってしまいました。
#なお、ここまでの機能は、WindowsマシンでもiTunes for Winをインストールすれば全く同様に使えます。Air Mac ExpressもWinと互換性があります(実際、私はWinPCを混ぜて使っています)が、Macでないと初期設定がちと面倒らしい‥‥という情報を得ています。
余談ですが、AV系のDVDプレイヤーのデジタル出力も、光でメインのDACに送っています。メーカーは色々ですが、この手のもの(写真参照)を使うと2→1の接続ができます。
ただし2→1でコネクタ刺しっぱなしで上流機器2台から同時に信号を送ると(あるいは電源を入れるだけでも)DACが誤作動しますので注意が必要です。幸い、Air Mac Expressのオプティカルアウトは曲の再生時のみキャリア(=光)が出る方式なので、DVDの電源を入れるときにはAir Tunesを使わなければ済む話です。
さらに余談を述べると、地上波TVやVHSなどのアナログ音声をメインシステムに飛ばしたいときも、一度A/D変換してから光で送ることにしています。専用ADCを用意するほどのこともないので、たまたま持っていたSONYのDATウォークマンにオプティカル入出力アダプタ(http://www.ecat.sony.co.jp/avacc/cord/acc/index.cfm?PD=1775)を追加してADCとして使っています。生録用機材ならではのRECレベル自動設定機能を使えば、ソースに応じていちいち入力ボリュームを調整しなくて済むのも便利。
まあ普通の方は、アナログ入力→光出力機能のついたオーディオデバイスをPCに組み込むのがいいんじゃないかと思いますが。]]>
BEHRINGER EP2500 450W×2(8Ω)パワーアンプ
http://daluhmann.exblog.jp/8218086/
2008-05-28T10:45:00+09:00
2012-10-30T00:23:48+09:00
2008-05-28T10:41:29+09:00
daluhmann
考察・レビュー・雑談
しばらく途絶えていた職場の励武大会が近々復活することになり、しかし私が作ったPA用アンプはちょっと故障中、でもって修理どころか点検する暇もありませんので、この機会により安心してガンガン使えるメーカー製品も持っておこうと思い、コレを買ってみました。
※注:本機は現在すでに絶版です。モデルチェンジ後の現行品はこちら
BEHRINGER EP4000 ■リヤパネル
業務用ですのでRCA(ピン)入力端子はありません。XLRとフォンのみです。
出力端子はスピコンと、3/4"ピッチバナナプラグ対応のターミナル。Yラグとかで繋ごうとすると、少々間隔が狭めで短絡事故が気になります。このへんはあくまで業務用ならでは。
ちなみに冷却ファンの音はそこそこ大きいので、そこらへんも必ずしもホーム用途向きとは言えないですね・・・。
■入力ATTとオペレーションインジケータ
出力メーターの代わりに、音に合わせて明滅する橙色LEDがついています。ま、こんなもんで実用的には十分です。
赤色LEDはもちろんクリップインジケータです。
■音質
とりあえず自宅に持ち込んでテストしてみましたが・・・結構マトモですねこれ。
阿Qも含む半導体アンプでは例外なく感じられた低音の膨らみがほとんど認められません。ネット検索で散見したレビューでも例外なく柔らかめのふわっとした低音とありましたが、たしかにその通りです。しかし私に言わせれば、それは回路が正しく動作していることの証拠で、自作の場合もファインチューニングを進めるほどそういう音になっていきます。おそらくGND系の取り回しが高周波領域まで含めて上手くマネジメントされているのだろうと推測します。
高域もむしろ地味目で、真空管アンプっぽいとも言えるカマボコ的帯域イメージです。といって決して詰まった感じではなく、あくまで控えめかつ繊細というだけで、綺麗に澄んだ高音です。
#言うまでもないことですが、フツーにコンセントとラインケーブルを刺しただけで、そういう音が出るわけではありません。いつものコモンモード対策は施した上での話です。特にメゲ犬さんからいただいた大型の高調波抑制フィルタは相性がいいようです(^^)
ハッキリ言って、阿Qより素性がいいです、このアンプ(笑)。
強いて言うと、外付けの対策を施さなくてもそこそこ良い音がするという意味では、阿Qのほうがなるほどハイエンドっぽい感じがします。逆にこのベリンガーは無対策だと凡庸というかあまり良い音ではありません。しかし対策を施すと印象は逆転します。
こういう問題があるので、巷の音質評価などまるっきり当てになりません。アンプの音質のかなりの部分は、周辺機器との間に流れるコモンモード雑音の加減で決まります。単体アンプそれ自体の固有音質が強固に存在するというイデオロギーを信じている方はお気の毒です(あれこれ機器を入れ換えたり、パーツにこだわったりという無駄な努力を永遠に続けなきゃいけないという意味で)。
蓋を開けてみないとわかりませんが、このアンプの心臓部は、ディスクリート回路ではなくLM4702あたりのドライバICではないのかなと思います。パワーから換算するに電源電圧は±90Vぐらいのはずなので、そのへんからもそんな気がします。
驚くべきはこの物量(パワー)でありまして、オーディオアンプなどしょせん量産家電製品であることを痛感させられるC/Pであります。
■リミッタの動作
この機種を選んだ理由は、C/Pもさることながら、ローカットフィルタとリミッタというPA用アンプには好都合な機能がついていたせいもあります。
ローカットフィルタはチャンネル毎にスルー/30Hz/50Hzが選べます。マイクやアナログターンテーブルといった「生音」を扱う時には役に立つかもしれません。
より重要度が高いのはリミッタで、フルパワーまで使うことが前提のPA用アンプでは、ホーム用途と違ってクリップ時の安全性を真剣に考えなければなりません。クリップの何が問題かというと、
①大量・大エネルギーの高調波が発生してスピーカの高域ユニット(ツイータ)に飛び込み、ヴォイスコイルを焼損する恐れがある。
②出力Trが飽和すると蓄積時間の問題でターンオフが遅れ、コンプリメンタリの上下の石が同時にONになる瞬間が生じて多大な貫通電流が流れ、あぼーんする。
テストしてみたところ、このアンプのリミッタは、クリップすると何らかのサーボが効いてゲインを抑制するAGC風動作のようです。リミッタをオンにしてVRを上げていくと、波形ピークが少々潰れるあたりからゲインが抑制され、それ以上いくらVRを上げても波形が変化しなくなります。素早くVRを上げると、僅かにクリップが深くなるものの瞬時にゲインが減ってクリップが抑えられるのが見て取れます。コリはGood。
アンプ自体の長期的な耐久性にも関わる問題なので、ホームユースはさておき真面目にPAで使う時には常時ONにしておくべき機能でしょう。
■総評
冷却ファンの音の問題を抜きにすれば、ハイエンドクラスと言ってしまっても何ら遜色のない音質(というか、しょせん電子機器でしかないアンプの特性は"電気的に"正しく動作しているかどうかでのみ決まるのであって、本質的にハイエンドも非ハイエンドも糞もないわけですが)、しかも絞り出せば数百Wという底なしのパワーは、ピュアオーディオ用アンプというものの存在意義を揺るがすほどのインパクトがあります。
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超シンプル MOS-FETパワーアンプ(MOS-FETを電流駆動する)
http://daluhmann.exblog.jp/205429/
2006-12-27T14:46:00+09:00
2010-02-10T09:15:52+09:00
2005-12-26T00:24:53+09:00
daluhmann
半導体アンプの製作
自宅での普段使いに好適な、シンプルかつコンパクトなアンプが1台欲しくなったので作ってみました。回路は極限まで素子数を切り詰めた構成を追求してみます。 【回路編】
今回のテーマは、パワーMOS-FETの使いこなしです。300Wアンプを試作した時に大量に購入してボツになった2SK1530/2SJ201が余っているので、これを消費したいという理由もあります。
オーディオアンプにおけるMOS-FETの使いにくさの理由を整理してみると、
1.バイポーラTrに比べて同じ電流値でのgmが低いため、アイドリング電流を多く流さなければならない。またAB級動作時のクロスオーバー付近のつながりに難がある。
2.ゲート入力容量が大きく、かつ発振防止のゲート抵抗が必要なので、実用上の周波数特性が悪くなり、グローバルNFBループの2ndポールを高く保つのが難しい。
3.バイポーラTrのような大電流域でのhFEタレがなくdi/dvがプログレッシブ特性であるため、また電圧制御(高Zin)という本質上ドライブインピーダンスによる電流制限が掛からないため、暴走モードで逝く時は一気に逝きやすい。
特に困るのは2.で、十分な値のゲート抵抗を与えるとフォワードパスに1MHz前後のポールができてしまいます。これではループカットオフ周波数が500kHz程度のまともなワイドラーアンプなど作れるはずもありません。
そこで俎板に上がるのが電流ドライブです。つまりフォロワによる低Zoのドライバを介さず、高Zoの電圧振幅(I/V)段で直接MOS-FETを駆動するという手です。これなら実装さえ上手くすればゲート抵抗を省略できるはずです。また単段で使ってこそ、Zinが無限大に近いため多段ダーリントンにせずともI/V段のDC-低域オープンゲインを極めて高く確保できるというMOSの利点が最大限に発揮されます。
その場合、MOS-FETの入力容量そのものがドミナントポールを作る位相補償容量になりますが、データシートによれば2SK1530/2SJ201を合わせた入力容量は単純計算で約2000pFもあります(実はこれ、大きな読み違いのあったことが後に判明するのですが・・・)。したがって、常識的なGB積を得るためには初段gmにかなり大きな値が要求されます。
またgmもさることながら、ネックは大容量をドライブすることに伴うスルーレートの問題で、これを考えるとIoutが定電流源で縛られ、振幅が増すほどgmが低下し、最終的にゼロとなる差動増幅回路はたいへん心許ありません。対して電流帰還(トランスインピーダンス)アンプにすれば電流制限の問題からは解放されますが、DC安定性は著しく不利になります。シンプルな回路にしておいてDCサーボを追加するのもマヌケですし、なるべくならDC100%帰還だけで実用になるアンプにしたい。(とにかく手抜きをしたいというのもありますが)
そんなこんなでつらつら悩んだ末の結論が、高gm・J-FETによるコンプリメンタリ差動です。ダイヤモンド差動と呼ぶメーカもあったようですが、要するに窪田式の初段でお馴染みの回路です。 N-ch差動とP-ch差動の共通ソースを突き合わせることでテール電流源が不要という回路で、見方によってはAB級ブリッジアンプそのものですから、原理的に電流制限がありません。
もっともJ-FETの場合、Idssを超える領域は使えない(ゲートをゼロバイアス以上まで振り込むとゲート電流が流れ始め、定格を越えると破壊します)ため、これが動作上の限界となります。が、それでも動作振幅が大きくなるほどgmが低下する普通の差動とは根本的に性格が異なり、出力電流が大きくなるほどgmも高まります(ただし、これは後述するように適度に抑えてやる必要がありますが)。しかもあくまで差動ですからDC安定性はバッチリです。
初段J-FETは、定番の2SK389/2SJ109(いずれもデュアル)に決定。と言いますか、ほぼ選択の余地はありません。gm(Typ)=20mSですから、差動の片側から出力を取り出すとして10mS×2(コンプリメンタリ=並列なので)=20mS。位相補償容量を仮に2000pFとして計算するとGBP=1.6MHz。クローズドゲイン=×10としてループカットオフ=160kHz。まだまだgmが不足します。
仕方ないので、初段ドレイン出力を反転するカレントミラーに×2の電流ゲインを与えます。ミラー効果によるf特の悪化は、この程度のゲインなら問題にならないでしょう。
さらに差動出力のもう片方をムダにしないため、反転入力側のドレインをカレントミラー・スレーブ側のエミッタに接続。こちら側は近似的にフォールデッド・カスコードとして動作します。図のようなトポロジで、アドミッタンスはおよそ3倍になります。 ちなみにこのカレントミラーもどき回路、初段の動作振幅が大きくなるとまず上下対称のいずれか(出力電流が減じる方)がカットオフします。次いで差動自体も片方がカットオフしてB級領域に突入するので、振幅が大きくなるにつれて、アドミッタンスが×3→×1.5→×1と減少します。が、スルーレートを計算すると初段電流が片側5mAとしても2.5V/μsまではノンカットオフ動作しますので、気にしないことにします。そもそも初段は電流増に伴ってgmが高まりますので、それとの相殺でトータルアドミッタンスの変動が程良く抑えられる可能性もあります。
アドミッタンスの変動を適度に抑制するという意味では、初段共通ソース間に入れるバイアス抵抗も同じ役割を持っています。アンプの安定性を考えると、大振幅(大電流・大出力)域でゲインが高まる特性は発振や暴走につながりやすく好ましくありません。振幅とともにわずかに低下する特性が安全と言えるでしょう。このへんは出力段のVdsに依存する容量変動やgm/電流カーブも絡んできて予測が難しいので、実測して様子を見ることにします。
回路図です。バカみたいにシンプルです。ドライブフォロワが追加される前の初期窪田式にそっくりですが、あくまで結果論ということで。 各部の電流は素子の許容損失に対してやや厳しめの値(定格の1/3~1/2程度)になっていますが、簡素な構成で性能を出そうとすると必然的に電流を大きくしないといけないので仕方ありません。
DC100%帰還は、今回のような方法の他にも、β回路シャント抵抗とGNDとの間にCを入れる方法がありますが、β抵抗値が今回のように低いと後者の方法ではべらぼうに大きな値のCが必要となるので却下です。この箇所のCの品種や銘柄にこだわる人もいるようですが、私はごく普通のノンポーラ電解を平気で使います。そんなことで音質など変わりませんので。
終段ゲート-出力間のツェナDiは、出力短絡時の電流制限保護用です。バイポーラTrほどgmが高くなくVgs振幅が大きいので、この程度の簡素な方法で十分実用になります。
【実装・電源・シャーシ編】
シンプルさを活かし、コンパクトな実装を追求します。回路基板は、出力MOS-FETを基板と放熱器とでサンドイッチする形で共締めします。カレントミラーTrのコレクタをMOS-FETのゲートに直付けするという、ディスクリートの限界的実装です。パスコンも最短距離で放熱器に落とします。
電源はツインモノ構成です。理由は・・・1個¥300の放出品トランスの容量が足りなかったので2つ使わざるをえなかっただけ(笑)。
高周波リターンは例によって放熱器ベタアースに頼るので、シャーシに銅板を敷き、中央にGND集中(スター)ポイントとなるL字アングルを立て、両chのブロックコン中点をここに結びます。SPのリターンは当然同じポイントに集中し、入力ピンジャック中点からのGNDラインもフェライトビーズを介しつつこのL字アングルの根元に落としますので、入力信号やNFB信号のリターン電流は、左右の基板(放熱器付近)の接地点からシャーシに敷かれた銅板を通ってスターポイントに戻ることになります。必ずしもベストとは言えませんが、表面上の1点アースにこだわるあまり、インダクタンスの高い細い電線でスターポイントに戻すよりは遥かにましでしょう。これ以上を追求しようと思うと左右の放熱器と電解コンとを立体的に空間配置しなければならなくなりそうです。
ブロックコンの上、横一線に並んでいるコンデンサは前段用電源の平滑用です。ごくごく単純に、ファイナル電源から100Ω+2200μFでデカップリング&リップル除去して供給します。ドライブ段の方がファイナルより電源電圧が低くなるためパワーを絞り出すには損ですが、どうせ飽和電圧の高いMOS-FETですから気にしません。
お馴染み、AC電源ラインと入力ラインのコモンモードチョークは必ず入れます。ちなみに入力ラインのフェライトビーズはFB-801ではなく、特性不明の放出品を4個直列にしたものです。あちこちパッチンチョークが入っているのは超高域でのGNDループ防止策です。
【特性】
DCオフセットは無調整でも1mV未満。さすがはモノリシック・デュアルFETの差動です。
最大出力は約16W@8Ω(16Vp-p)。先に述べた通り、ファイナルより先にドライブ段がクリップします。
周波数特性をテストしてみると、思ったよりループカットオフ周波数が高いことに気がつきました。とりあえず終段アイドリング200mA、クローズドゲイン=×11だと、8Ω負荷でなんと2MHz強までフラットです。しかも、ほぼそれに近い周波数までフルパワー出力可能。広いPBW(パワーバンドワイズ)は電流制限要素のない構成の恩恵でしょう。
フォワードアドミッタンスの計算が合っているとすると、位相補償容量は当初単純計算の1/4の約500pFということになります。考えてみれば当たり前で、フォロワの場合、入力容量のうちCgs分は自己ブートストラップ機能によりキャンセルされて(1-A)倍になります。Crss(Cgd)+Cgs残存分が実質的な補償容量になるわけです。そのため、負荷インピーダンスを8Ωから4Ωにすると、Aが低下するためカットオフ周波数も20%ほど低下します。
もう少し細かくテストすると、振幅が大きくなるほどカットオフ・PBWともに低下することがわかります。先に述べた、振幅とともにトータルアドミッタンスが漸減する安全な特性です。また、0V近辺で小振幅動作させた時よりも、大きなDCオフセットを与えて電源電圧近くで小振幅動作させた時の方が10%ほどカットオフが低いことに気付きます。CrssのVds依存性がそのまま表れている(当然、Vdsが低いほどCrssが増す)わけですが、フォロワ使いの場合、Vds低下=出力電流増=gmが高まる時に補償容量も増して安定傾向に向かうので好都合です。
と同時に、ここでの非直線性が歪率の限界を規定します。補償容量が非直線性の大きい素子寄生容量ですから、さほど歪率の低いアンプにはなりえませんが、これは承知の上です。
何れにせよf特がここまで伸びている必要はないので、クローズドゲインを×21まで高め、カットオフを1MHz強にしました。当然、NFB量も1/2になるので歪率は倍になりますが、それよりも位相余裕の確保を優先します。ゲイン×11だと数%程度のオーバーシュートが見えていたので・・・。
残留ノイズは、0.22mV(Lch)/0.19mV(Rch)。
8Ω/15W出力時のTHD+Nは以下の通りです。
100Hz 0.03%
1kHz 0.05%
10kHz 0.15%
予想通り決して優れた数字ではありませんが、構成の簡素さを考えれば十分でしょう。
なお1W出力時は各周波数とも0.01%台で、残留ノイズが支配的となります。出力が増すほど歪率が増す管球アンプ的特性。
試しにアイドリング電流を増すと、カットオフがさらに伸びるとともに歪率も低下します。600mA程度がベストですが、放熱器容量の関係で200mAで妥協しています。それでも暖かい季節の放熱器温度は50℃程度になります。
最後に。初段非反転入力側ゲート/GND間の1000pFは、G-S間寄生容量を通じた反転入力→非反転入力への帰還信号すっぽ抜け対策です。K389/J109は高gmと引き替えに電極間容量が大きい(特にJ109のCiss=95pFは驚異的)ので、非反転入力側に大きめの容量を入れてやらないと超高域で正帰還が掛かって不安定なアンプになってしまいます。テスト時など低Zoのオシレータを直結して測定する際には表面化しませんが、信号源インピーダンスが高くなるほど影響が強く現れますので、送り出し機器が高Zoだったり入力にVRを加えたりするときは要注意です。
こうした対策を抜きに「K389/J109の音質傾向は・・・」などと語る文章を目にしたことがありますが、まったく無意味。窪田式を通じて極めてポピュラーな石なのに、こうした基本的なtipsすら流通していないのは困ったものです(と言っている間に、石自体が流通しなくなっているようですが・・・orz)。]]>
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